
町内会を、書いてます。
なぜ、町内会を楽にできないのか
仕事が多すぎる。
やめたいと言いにくい。
おかしいと思っても、「昔からこうだから」で話が止まる。
その負担は、誰か一人の悪意だけで生まれているわけではありません。
善意、責任感、遠慮、前例、そして空気。
それらが積み重なると、本来は断ることのできる「お願い」まで、いつの間にか「やるべきこと」へ変わっていきます。
町内会は、行政と住民、善意と義務、組織と個人、前例と改革が凝縮された、小さくて濃い社会です。
必要なのは、町内会を否定することではありません。
続ける価値のあるものと、無理をしてまで続けなくてよいものを分けること。
このサイトでは、その仕組みを、実録・組織論・風刺・海外向け発信という複数の入口から掘り下げています。
※ 役員の断り方や、会議・行事・回覧・行政依頼など、町内会の負担を減らす考え方はこちらのページにもまとめています。
実際にやったこと
実際の運営では、次のような見直しを行いました。
【やめたこと・減らしたこと】
・研修旅行・懇親会を廃止
・募金や各種団体の会費集金代行を廃止
・民生委員など各種委員の候補者集めを町内会の責任から外し、情報提供に限定
・年7回の自治振興会理事会を年3回へ縮小
・誰も飲まない会議のお茶出しも廃止(笑)
【仕組みを変えたこと】
・本当に必要な行政依頼は、行政自身が各自治会・町内会へ直接依頼する運用へ変更
・事務局機能を一時移転し、組織の統制を再構築。現在は返還
・クマの出没を抑える河岸段丘の森林伐採案が県・市に認められ、2026年度から約10年計画で事業を開始
【対立・撤回・失敗もありました】
・運営上の問題2件について法的手続きを取り、いずれも事件として受理
・広報紙の配布停止は途中で覆され、この改革は失敗
成功したことだけでなく、反発されたこと、失敗したことも含めてお話しできます。
改革は全員に歓迎されたわけではなく、理事17名中、信任12名・不信任5名という場面もありました。
報道と現場の記録
地域組織の負担を減らす改革の過程は、テレビや新聞でも継続して取材されています。
【テレビ】
「町内会は行政の下請けではない」
――行政依頼を見直す改革(富山テレビ)
関連動画は、YouTubeで30万回以上再生されています。
【新聞・Webメディア】
「守るために削る」
――仕事を減らす地域改革(北日本新聞)
クマ対策
――地域の現場で実際に動く(北日本新聞)
【地域での活動】
大沢野地区自治振興会
――実際の活動を見る
55の自治会・町内会を束ねる組織で、実際に何をやめ、何を残し、何が起きているかを公開しています。
町内会を、いくつもの角度から
実録、組織論、海外向け発信、風刺。
入口は違っても、中心にある問いは一つです。
善意や空気に頼りすぎず、普通の人が無理なく関われる組織はつくれるか。
町内会の本でありながら、会社、PTA、学校、NPO、委員会、マンション管理組合などにも通じる問題を扱っています。
『誰も命令していないのに、なぜ断れないのか?』
町内会で見えた
「権限なきピラミッド」
誰も命令していない。
それでも、なぜか断れない。
行政から届いた「お願い」は、町内会へ下りるころには「やるもの」へ変わっています。ところが、上へたどっても命令者は見つかりません。
55の自治会・町内会を束ねる現場で起きた出来事を手がかりに、正式な命令権を持たない組織が連なり、
「上から来た」
「みんなやっている」
「誰かが困る」
「嫌われるかもしれない」
という予測だけで人を従わせる「権限なきピラミッド」を追います。
町内会だけでなく、会社、PTA、学校、業界団体、NPO、マンション管理組合にも起こりうる、命令者のいない支配を描いた一冊です。
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NO ONE GAVE THE ORDER
町内会で見つけた
「権限なきピラミッド」を
世界へ
“The Pyramid Without Authority”を世界へ
日本語版の逐語訳ではありません。
町内会で見えた「権限なきピラミッド」を、職場、学校、PTA、NPO、委員会など、世界中の組織に起こる問題として再構成しました。
誰も命令しない。
誰も責任を取らない。
それでも仕事は下へ流れ、最後には責任感の強い人が引き受ける。
さらに、NOを言ったときに起こる不快感を先回りし、人々が自分から沈黙する仕組みをanticipated discomfort(予測された不快感)として掘り下げています。
強い命令者がいるから動くのではない。
It is powerful because people have learned how to keep it moving without one.
命令者がいなくても、人々が自分たちで動かし続けることを覚えたから止まらない。
町内会から見つかった構造を、世界中の組織へ広げた一冊です。
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『泣き寝入りの町内会』
町内会の仕事は、なぜ減らないのか。
なぜ「やめたい」「断りたい」が言い出せないのか。
役員のなり手不足、行政依頼、募金、委員選出、昔からの行事。
55の自治会・町内会を束ねる現場で、実際に何をやめ、何を変え、どんな反発が起きたのかを記録した一冊です。
問題を「人が悪い」で終わらせず、善意が義務へ変わり、誰も断れなくなる仕組みとして捉えます。
町内会を壊すためではなく、普通の人が無理をしなくても続けられる形へ小さくするための実録です。
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『Suffering in Silence』
『泣き寝入りの町内会』を単純に翻訳した本ではありません。
日本独特の町内会制度を知らない読者にも伝わるよう、行政と任意の住民組織、無償の地域活動、social pressure の関係から再構成しました。
問いは単純です。
なぜ、行政が担う地域運営の一部を、任意の住民組織と無償の住民活動にこれほど頼っているのか。
国内では「昔からそうしている」で終わる仕組みも、外から見ると別の輪郭を持ちます。
人をつなぐはずの絆が、いつ鎖へ変わるのかを、英語圏の読者へ問いかける一冊です。
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『町内界いきもの大図鑑』
町内会は、大人になってからもう一度放り込まれる「中学校」のような場所です(笑)。
年齢も職業も価値観も違い、話せば分かる人ばかりではない。
そんな「町内界」に生息する48種を、分類・生態・鳴き声・見分け方・対処法まで観察した風刺図鑑です。
笑って眺めるだけでも構いません。
けれど、相手を変えようと消耗する前に、相手がどんな生きものなのかを知ることは、組織を動かすうえで意外に役立ちます。
町内会、自治会、PTA、地域団体で「どうしてこの人はこうなんだ」と疲れた人へ。
修羅の世界を少し笑って生き抜くための一冊です。
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『THE FIELD GUIDE TO ORGANIZATIONAL CREATURES』
日本の町内会で観察した「いきもの」を、英語圏の組織にも通じるよう再分類した風刺図鑑です。単純な英訳ではありません。
会社、NPO、PTA、委員会、行政、プロジェクトチームなどに現れる50種を、鳴き声、生息地、生態、見分け方、組織への影響、対処法まで分類しました。
・前例を守るもの。
・肩書を栄養にするもの。
・会議が終わった途端に弁舌になるもの。
・善意100%で周囲の休日を食い尽くすもの。
・そして、本当に仕事を減らしてしまう改革種。
善意が義務へ、協力が同調圧力へ、有能な人がインフラへ変わる瞬間を、笑いながら観察する一冊です。
日本の町内会から始まった観察を、組織一般の問題として世界へ広げた一冊とも言えます。
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『ゲーム理論で町内会を斬る!』
「誰も得しない活動」から、どう抜けるか。
役員を引き受ける人だけが疲弊する構造を、ゲーム理論の視点から考えた会長就任前の小論です。
「問題なのは人ではなく、仕組みではないか」
「やめる勇気と、新しい仕組みの両方が必要ではないか」
その仮説をまとめた後、実際に55の自治会・町内会を束ねる立場で試すことになりました。
何が当たり、何が外れ、現場で考えがどう変わったのか。
後の実録や著書の出発点となった非売品です。研究・取材・授業向けにはご案内できます。
著者について
坂上 誠一(Seiichi Sakagami)
著者・システム開発者。富山市在住。
2025年から大沢野地区自治振興会会長として、55の自治会・町内会を束ねる組織の見直しに携わっています。
オーストラリアで情報工学を学び、現在はパソコン修理とシステム開発に従事。
原因を調べ、不要なものを外し、複雑なものを単純にするという考え方を、地域組織の運営にも応用しています。
日本の町内会や地域組織の問題を、日本語・英語の双方で発信しています。
普段はパソコンを直しています。
たまに、町内会も直しています(笑)。
取材・研究・講演・対話について
町内会を、盛り上げません。
楽(らく)にします。
地域の担い手不足に対して、よく語られるのは、
「若い人に参加してもらおう」
「楽しいイベントを増やそう」
「もっと活気のある町内会にしよう」
という方向です。
けれど、ここで考えるのは「足し算」ではなく「引き算」です。
魅力的な行事やイベントをつくれば、一時的に人が集まることはあります。
しかし、それを動かせるリーダーの熱意や能力に依存した組織は、その人がいなくなったあとまで同じように続くとは限りません。
どれほど評判のよかった行事でも、年月がたてば目的が薄れ、いつの間にか「去年もやったから今年もやる」という仕事に変わっていくことがあります。
人口が増え続けている地域ならともかく、少子高齢化と人口減少が当たり前になった地域で、「もっと大きく」「もっと活発に」「もっと多くの人を動員する」ことだけを目標にするのは、持続可能な運営とは言いにくいと考えています。
しかも町内会・自治会には、行政からの依頼、各種委員の選出、募金、行事、会議など、すでに多くの仕事が積み重なっています。
だからこそ必要なのは、新しい仕事を足すことではなく、
町内会が本当に守るべきものは何かを見極め、そのコアを守るために、本来の役割から外側へ広がった、責任や人員動員を必要とする仕事を減らしていくこと。
それが、このサイトと著書で一貫して扱っている考え方です。
「どうすれば町内会を盛り上げられるか」という膨張・拡大・発展事例を並べるのではなく、
どうすれば、特別なリーダーがいなくても、普通の人が無理をせず続けられる組織にできるのか。
そこから考えます。
大切なのは、「正しい町内会運営」を語ることではありません。
町内会・自治会、行政と地域組織、善意と義務、同調圧力、無償の地域活動。
言葉にしにくかった違和感を、現場の成功と失敗から一緒に考えることです。
「自分たちが感じていたのは、これだったのか」
その一言が見つかれば、対話はそこから始まります。
成功談だけでなく、反発されたこと、撤回したこと、失敗したことも、そのままお話しします。
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